国立大学法人九州工業大学における研究活動等の不正防止に関する規程

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2023/01/31 火 18:17:50

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舟木　大誠

2024/05/31 金 19:38:48

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10852

編

第7編研究協力

章

タイトル

国立大学法人九州工業大学における研究活動等の不正防止に関する規程

本文

○国立大学法人九州工業大学における研究活動等の不正防止に関する規程

平成２６年９月３日
九工大規程第３４号

改正　平成２７年　４月１４日九工大規程第４６号
平成２８年　３月　２日九工大規程第３２号
平成２９年　２月　１日九工大規程第　２号
平成３０年　３月２９日九工大規程第１６号
平成３１年　３月　６日九工大規程第　６号
令和　３年　３月　３日九工大規程第　３号
令和　３年　３月３０日九工大規程第　６号
令和　４年　７月２７日九工大規程第１８号
令和　６年　４月　１日九工大規程第　２号
令和　６年　５月３１日九工大規程第１４号

第１章	総則

（目的）
第１条　この規程は，九州工業大学（以下「本学」という。）における研究活動等の不正行為の防止に関し必要な事項を定め，もってその運営及び管理の適正化を図ることを目的とする。

（定義）
第２条　この規程において，次の各号に掲げる用語の意義は，当該各号に定めるところによる。
(1) 研究活動等の不正行為（以下単に「不正行為」という。）　研究活動における不正行為及び公的研究費の不正使用をいう。
(2) 研究活動における不正行為　捏造，改ざん，盗用，二重投稿，不適切なオーサーシップ等の研究活動上の不適切な行為であって，科学者の行動規範及び社会通念に照らして研究者倫理からの逸脱の程度が甚だしいものをいう。
(3) 特定不正行為　前号の研究活動における不正行為のうち，故意又は研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことによる投稿論文等の発表された研究成果の中に示されたデータ並びに調査結果等の捏造，改ざん及び盗用をいい，次に掲げる行為をいう。
ア 捏造　存在しないデータ，研究結果等を作成すること。
イ 改ざん　研究資料・機器・過程を変更する操作を行い，データ，研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工すること。
ウ 盗用　他の研究者のアイディア，分析・解析方法，データ，研究結果，論文又は用語を当該研究者の了解又は適切な表示なく流用すること。
(4) 公的研究費　文部科学省，文部科学省が所管する独立行政法人又はその他の機関等から配分される運営費交付金，寄附金，補助金並びに委託費等を財源として本学が扱うすべての経費をいう。
(5) 不正使用　故意又は重大な過失による，当該公的研究費の目的外使用又は九州工業大学会計規則（平成１６年九工大規則第１８号）その他本学の定める諸規則等（以下「会計規則等」という。），補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律（昭和３０年法律第１７９号）及び関係法令並びに補助金等の交付決定に付された条件等（以下「法令等」という。）に違反したものをいう。
(6) 職員等　本学の職員及び本学の公的研究費の運営・管理に係わるすべての者をいう。
(7) 研究者等　本学において研究活動に従事する本学の職員及び学生並びに本学の施設を利用して研究活動を行う者をいう。
(8) 部局等　部局とは，国立大学法人九州工業大学基本規則（平成１９年九工大規則第５号）第１１条，第１３条から第１５条まで及び第１９条に規定する組織をいい，部局長とは，当該部局の長をいう。
(9) 研究活動等の不正行為の防止（以下単に「不正防止」という。）のための教育　コンプライアンス教育及び研究倫理教育双方の総称をいう。
　　ア　コンプライアンス教育
　　　　本学の不正防止に関する方針及び各種規則等を職員等に周知するための教育
　　イ　研究倫理教育
　　　　論文及び研究成果を発表する研究活動に携わる者が，知っておくべき内容及び倫理観について周知するための教育
(10) 研究データ　数値データ，プログラム，文書（実験・観察ノートを含む。）及び画像等の研究資料並びに実験試料，標本類，装置等の有体物で外部に発表する論文及び研究成果（以下「研究成果」という。）を導出するために必要とした各種データ等をいう。

第２章	組織の責任体制と職員等の責務

（最高管理責任者）
第３条　学長は，本学全体の不正防止に関する統括を行い，不正行為の防止に関する運営・管理
における最終責任を負う最高管理責任者として，本学全体の不正防止の取組を推進しなければならない。
　２　最高管理責任者は，不正防止対策の基本方針（以下「基本方針」という。）を策定及び周知するとともに，それらを実施するための必要な措置を講じる。また，次条に規定する統括管理責任者及び第５条に規定するコンプライアンス推進責任者と協力して，不正防止に関する運営・管理等を行う。
　３　最高管理責任者は，基本方針や具体的な不正防止対策の策定に当たっては，役員会等において審議を主導するとともに，その実施状況や効果等について役員等と議論を深める。
　４　最高管理責任者は，様々な啓発活動を定期的に行い，職員等及び研究者等へ不正行為の防止を可能にする公正な研究環境の確立及び維持も自らの重要な責務であるとの自覚を促す。

（統括管理責任者）
第４条　最高管理責任者を補佐する者として，本学に統括管理責任者を置き，学長が指名する理事をもって充てる。
２　統括管理責任者は，不正行為の防止について本学全体を統括する実質的な権限と責任を有する者として，大学全体の公正な研究活動を推進するための適切な措置を講じるものとする。
３　統括管理責任者は，最高管理責任者の指示及び基本方針に基づき，不正防止対策について組織横断的な視点で取り組み，本学全体の具体的な対策の策定・実施及び実施状況の確認を行い，定期的に最高管理責任者へその状況を報告するものとする。また，次条に規定するコンプライアンス推進責任者及び第６条に規定する研究倫理教育責任者に対して当該具体策を遂行させるものとする。

（コンプライアンス推進責任者）
第５条　部局等における不正防止について実質的な責任と権限を持つ者としてコンプライアンス推進責任者を置き，当該部局等の長を持って充てる。
２　コンプライアンス推進責任者は，統括管理責任者の指示のもと，次の各号に定める業務を行う。
(1)	当該部局等における対策を実行するとともに，定期的に統括管理責任者へその状況を報告する。
(2)	不正防止を図るため，当該部局等の職員等及び研究者等に対して不正防止のための教育を実施し，受講状況を管理監督する。
(3)	当該部局等の職員等が，適切に研究活動等の管理・執行を行っているかをモニタリングし，必要に応じて改善指導をする。
(4)	当該部局等において，定期的に啓発活動を実施する。
３　コンプライアンス推進責任者は，当該部局等の不正防止に関する執行・管理を適切に行うために，必要に応じて各課，系・専攻等にコンプライアンス推進副責任者（以下「副責任者」という。）を置くことが出来る。副責任者は，各課，系・専攻等に前号第２号から第４号までの業務を行い，定期的にコンプライアンス推進責任者へその状況を報告する。

（研究倫理教育責任者）
第６条　部局等に，研究倫理教育について実質的な責任と権限を持つ者として，研究倫理教育責任者を置き，当該部局等の長をもって充てる。
２　研究倫理教育責任者は，当該部局等における研究倫理の向上及び不正行為の防止等に関する責任者として，統括管理責任者の指示のもと部局等の公正な研究活動を推進するための適切な措置を講じるものとする。
３　研究倫理教育責任者は，当該部局等に所属する研究者等に対し，研究倫理教育を定期的に行わなければならない。

（職名の公開）
第７条　第３条から前条までの責任者（以下「各責任者」という。）を置いた場合，又はこれを変更した場合，その職名を公開するものとする。

（研究公正委員会）
第８条　本学に，公正な研究活動を推進するとともに，職員等及び研究者等による不正行為の防止及び本学全体の公的研究費の不正使用を防止するため，研究公正委員会（以下「公正委員会」という。）を置く。
２　公正委員会は，次の各号に掲げる事項を審議する。
(1) 公正な研究活動の推進に係る啓発活動に関すること。
(2) 公正な研究活動の推進に係る情報収集及び周知に関すること。
(3) 職員等及び研究者等による不正行為に関する調査に関すること。
(4) その他公正な研究活動の推進及び不正行為に関すること。
(5) 不正行為の防止に係る計画の策定，周知及び推進に関すること。
(6) 不正行為の防止に係る体制の整備に関すること。
(7) 不正行為の防止に係る規則等の制定改廃に関すること。
(8) 不正行為の防止に関する行動規範の策定及び周知に関すること。
(9) 不正行為の防止のため，実施する教育の計画立案，教育コンテンツの作成及び教育の実施に関すること。
(10) 不正行為の防止の取組に関し，学内外への周知及び公表に関すること。
(11) 公的研究費の管理及び運営の実態把握，検証，改善案策定及び実施に関すること。
(12) 所掌事務の調査統計，その他諸報告に関すること。

３　公正委員会は，次の各号に掲げる委員で組織する。
(1) 統括管理責任者
(2) 副工学研究院長の中から推薦された者１名
(3) 副情報工学研究院長の中から推薦された者１名
(4) 副生命体工学研究科長
(5) 副教養教育院長
(6) 管理本部長もしくは管理本部長が指名する事務職員１名
(7) イノベーション本部長もしくはイノベーション本部長が指名する事務職員１名
(8) その他学長が必要と認めた者
４　公正委員会に委員長を置き，前項第１号の委員をもって充てる。
５　委員長は，公正委員会を招集し，その議長となる。
６　委員長に事故があるときは，あらかじめ委員長の指名する者が議長の職務を代行する。
７　特定の事項の調査や公的研究費の計画を推進するため，公正委員会にワーキンググループを置くことができる。

第３章	不正行為防止計画の策定

（防止計画の策定等）
第９条　最高管理責任者は，不正行為の防止に係る計画を策定するとともに，その対応等について，ウェブサイト等を通じて積極的に公開するものとする。さらに，その施策を確実かつ継続的に推進するものとする。
２　最高管理責任者は，不正使用を発生させる要因に対応する具体的な防止計画を策定するとともに，不正使用の防止に関する対応等について，ウェブサイト等を通じて積極的に公開するものとする。さらに，その施策を確実かつ継続的に推進するものとする。

（不正行為の防止に向けた措置）
第１０条　コンプライアンス室は，不正行為の防止に向けた取組の状況を本学のウェブサイトで公表するとともに，その施策を確実かつ継続的に推進するものとする。

第４章	公的研究費の適正な運営及び管理

（執行状況の確認等）
第１１条　コンプライアンス推進責任者及び副責任者（以下「コンプライアンス推進責任者等」という。）は，適宜公的研究費の執行状況を確認し，執行状況が適当でないものについて改善を指導しなければならない。
２　コンプライアンス推進責任者等は，前項に定める指導を行ったのち，改善が認められない職員等に対し，繰越制度の活用，資金交付元への返還等を含めた改善策を職員等に遅滞なく示すものとする。

（経理事務）
第１２条　公的研究費の執行に関する取扱いは，別に定めのあるものを除き，会計規則等に基づき取り扱うものとする。

（相談窓口）
第１３条　公的研究費に係る事務処理手続き及び使用ルール等に関する学内外からの相談に迅速かつ適切に対応するため，相談を受け付けるための窓口（以下「相談窓口」という。）を設置するものとする。
２　相談窓口は，コンプライアンス室に設置し，その担当係等は公開するものとする。

（発注段階での財源の特定）
第１４条　職員等は，公的研究費の執行状況を的確に把握するため，発注段階において支出財源を特定して発注するものとし，会計規則等に遵守して行うものとする。

（取引業者との癒着防止）
第１５条　契約責任者及び契約担当者は，取引業者と契約する場合，会計規則等を遵守するものとし，コンプライアンス推進責任者等は，当該職員等と取引業者との癒着を防止するための必要な措置を講ずるものとする。

（検収業務等）
第１６条　物品の購入，製造及び修理並びに役務に係る契約（以下「物品の購入等契約」という。）に伴う検収業務については，会計規則等に遵守して行う。
２　非常勤職員を雇用等する場合，国立大学法人九州工業大学パートタイム職員の勤務時間等に関する規程（平成１６年九工大規則第２０号）及び関連規則を遵守するものとし，その事務に携わる者が日常的に勤務事実の確認を行う。ただし，それによる確認が困難な場合にあっては，定期的に確認する方法によることができる。

（出張の確認）
第１７条　本学の業務遂行上必要となる出張について，国立大学法人九州工業大学職員旅費規程（平成１６年４月１日九工大規程第１３号）及び関連規則（以下「職員旅費規程等」という。）を遵守するものとし，部局長等から命令又は依頼を受け，出張の目的に合った予算であることを確認のうえ，旅行命令（依頼）書を作成するものとする。
２　出張終了後は，旅行精算報告書，職員旅費規程等で定められた書類その他の旅行の事実を証明するものを提出しなければならない。

（不正な取引を行った業者の処分）
第１８条　不正な取引に関与した業者への取引停止等の処分については，別に定める。

（使用ルール等の理解度の確認）
第１９条　コンプライアンス室は，不正使用を防止する観点から，職員等に対し公的研究費の使用ルール等に関する理解度の調査を実施し，その結果について問題があると認める場合，必要な措置を構ずるものとする。

第５章	職員等の意識向上等と責務，研究者等の責務

（行動規範）
第２０条　公的研究費の不正使用を防止するため，国立大学法人九州工業大学における公的研究費の使用に関する行動規範を策定し，公開するものとする。
２　研究活動における不正行為を防止するため，九州工業大学科学者行動規範を策定し，公開するものとする。

（教育及び啓発活動の実施）
第２１条　不正行為を未然に防止するため，職員等及び研究者等に不正防止のための教育を受講させるものとする。
２　不正防止のための教育を実施するにあたっては，職員等及び研究者等の職種や業務実態に則した教育が受講できるよう留意する。
３　不正行為の防止を可能にする公正な研究環境の確立及び維持も自らの重要な責務であると自覚を促すため，不正行為抑止の教育啓発を職員等及び研究者等に対し継続的に実施するものとする。
４　不正防止のための教育及び啓発活動の実施等については，別に定める。

（職員等の責務）
第２２条　職員等は，高い倫理観を保持し，不正行為を行ってはならない。また，他者による不正行為の防止に努めなければならない。
２　職員等は，不正防止のための教育を受講しなければならない。ただし，コンプライアンス推進責任者が受講の必要がないと判断した者にあっては，この限りではない。
３　職員等は，不正行為を防止するために法令等を遵守するとともに，コンプライアンス推進責任者の指示に従わなければならない。
４　職員等となった時点で本学が定める不正防止のための教育を必ず受けるものとし，それ以降も最高管理責任者が指定する教育を定期的に受けなければならない。
５　職員等は前項で定める教育を最初に受ける際に教育内容を理解したこと等を明記した誓約書（別記様式第１号）を最高管理責任者に提出しなければならない。
６　前２項の義務を履行しない者にあっては，公的研究費の申請並びに運営及び管理に関わることができない。

（研究者等の責務）
第２３条　研究者等は，研究倫理教育及び研究活動に係る法令等に関する研修又は科目等を受講しなければならない。
２　研究者等は，研究活動の正当性の証明手段を確保するとともに，第三者による検証可能性を担保するため，研究データを一定期間適切に保存・管理し，これに係る開示請求に対し，必要性及び相当性が認められる場合，これを開示しなければならない。

第６章	不正行為に関する通報窓口，調査及び処分

（通報窓口の設置）
第２４条　不正行為に関する申立て及び情報提供（不正行為が行われようとしている，又は不正行為を求められている旨の相談を含む。）並びにこの規程にかかわる相談，又は照会等に対応するための通報窓口（以下「通報窓口」という。）を設置するものとする。
２　通報窓口は，コンプライアンス室とし，その通報先等は公開するものとする。

（告発の受付体制）
第２５条　不正行為の疑いがあると思料する者は，何人も，書面，電子メール，電話又は面談により，通報窓口に対して告発を行うことができる。
２　告発は，原則として，氏名を明らかにして行うものとし，不正行為を行ったとする職員等，研究者等又は研究グループ等の氏名又は名称，不正行為の態様その他事案の内容が明示され，かつ，不正とする合理的理由が示されているもののみを受け付けるものとする。
３　通報窓口は，前項の規定にかかわらず，匿名による告発があった場合，告発の内容に応じ，公正委員会委員長と協議の上，これを受け付けることができる。
４　告発を受け付けた場合，速やかに，学長及び公正委員会委員長に報告するものとし，学長は，当該告発に関係する部局長に，その内容を通知するものとする。
５　新聞等の報道機関，研究者コミュニティ又はインターネット等により，不正行為の疑いが指摘された場合（不正行為を行ったとする職員等，研究者等又は研究グループ等の氏名又は名称，不正行為の態様その他事案の内容が明示され，かつ，不正とする合理的理由が示されている場合に限る。），公正委員会委員長は，これを匿名の告発に準じて取り扱うことができる。

（告発の相談）
第２６条　不正行為の疑いがあると思料する者で，告発の是非又は手続きについて疑義がある者は，通報窓口に相談をすることができる。
２　告発の意思を明示しない相談があった場合，通報窓口は，その内容を確認して相当の理由があると認めた場合，相談者に対して告発の意思の有無を確認するものとする。
３　通報窓口は，相談の内容が，不正行為が行われようとしている，又は不正行為を求められている等である場合，学長及び公正委員会委員長に報告するものとする。
４　学長又は公正委員会委員長は，前項の報告があった場合，その内容を確認し，相当の理由があると認めた場合，その報告内容に関係する者に対して警告を行うものとする。

（通報窓口の職員の義務）
第２７条　告発の受付に当たって，通報窓口の職員は，告発者の秘密の遵守その他告発者の保護を徹底しなければならない。
２　通報窓口の職員は，告発を受け付ける際には，その内容を他の者が同時及び事後に見聞できないような措置を講ずる等適切な方法で実施しなければならない。
３　前２項の規定は，告発の相談についても準用する。

（悪意に基づく告発）
第２８条　何人も，悪意に基づく告発（被告発者を陥れるため又は被告発者の研究活動を妨害するため等専ら被告発者に何らかの不利益を与えること又は被告発者が所属する組織等に不利益を与えることを目的とする告発をいう。）を行ってはならない。
２　学長は，悪意に基づく告発であったことが判明した場合，当該告発者の氏名の公表，懲戒処分，刑事告発その他必要な措置を講じることができる。

（予備調査の実施）
第２９条　第２５条に基づく告発があった場合又は公正委員会委員長が予備調査の必要を認めた場合，公正委員会委員長は研究公正委員会を招集し，予備調査を行うか否かを決定する。予備調査を実施することを決定した場合，公正委員会委員長は予備調査委員会を設置し，予備調査委員会は速やかに予備調査を実施しなければならない。
２　予備調査委員会は，公正委員会委員長が指名する者３名によって構成するものとし，告発者又は被告発者と直接の利害関係を有しない者でなければならない。
３　予備調査委員会に委員長を置き，公正委員会委員長が指名する者をもって充てる。
４　委員長は，予備調査委員会を招集し，その議長となる。
５　委員長に事故があるときは，あらかじめ委員長が指名する者が議長の職務を代行する。
６　予備調査委員会は，必要に応じて被告発者その他の関係者に対して，告発された事案に係る研究活動の研究資料等その他予備調査を実施する上で必要な書類等の提出を求め，又はヒアリングを行うことができる。
７　予備調査委員会は，告発された事案に係る研究活動の研究資料等その他予備調査の証拠となり得る資料及び関係資料を保全する措置をとることができる。
８　不正行為のうち，公的研究費の不正使用があった場合又は不正使用の疑いがある事案が生じた場合は，公的研究費の不正使用に係る調査を行うものとする。
９　公的研究費の不正使用に係る調査等について必要な事項は，別に定める。

（予備調査の方法）
第３０条　予備調査委員会は，告発された行為が行われた可能性，告発の際に示された科学的理由の論理性，告発内容の本調査における調査可能性及びその他必要と認める事項について，予備調査を行う。
２　告発がなされる前に取り下げられた論文等に対してなされた告発について予備調査を行う場合，取下げに至った経緯及び事情を含め，不正行為の問題として調査すべきものか否か調査し，判断するものとする。

（本調査の決定等）
第３１条　予備調査委員会は，告発を受け付けた日から起算して３０日以内に，予備調査結果を公正委員会委員長に報告するものとし，公正委員会委員長は学長に速やかに報告する。
２　公正委員会委員長は，公正委員会を招集し，公正委員会は予備調査結果を踏まえ，直ちに不正行為に関する調査（以下「本調査」という。）を行うか否かを決定し，学長へ報告する。
３　学長は，本調査を実施することを決定した場合，告発者及び被告発者に対して本調査を行う旨を通知するとともに，本調査への協力を求めるものとし，当該事案に係る競争的資金の配分機関（以下「配分機関」という。）及び文部科学省に対し，その旨を報告するものとする。
４　学長は，本調査を実施しないことを決定した場合，その理由を付して告発者に通知するものとする。この場合において，予備調査に係る資料を保全するものとし，配分機関又は告発者から資料の開示を求められた場合，これに応じるものとする。

（調査委員会の設置）
第３２条　公正委員会は，本調査を実施することを決定したときは，不正行為調査委員会（以下「調査委員会」という。）を設置するものとする。
２　調査委員会の委員は，次の各号に掲げる者とする。
(1) 公正委員会委員長
(2) 公正委員会委員長が指名する者で告発された事案に係る専門的知識を有する者　若干名
(3)公正委員会委員長が指名する者　若干名
(4) 公正委員会委員長が指名する外部有識者　若干名
３　委員の半数以上は，外部有識者とし，全ての委員は，告発者又は被告発者と直接の利害関係を有しない者でなければならない。
４　調査委員会に委員長を置き，第２項第１号の委員をもって充てる。
５　委員長は，調査委員会を招集し，その議長となる。
６　委員長に事故があるときは，あらかじめ委員長が指名する者が議長の職務を代行する。

（本調査の通知）
第３３条　公正委員会は，調査委員会を設置した場合，調査委員会委員の氏名及び所属を告発者及び被告発者に通知する。
２　告発者又は被告発者は，前項の通知を受けた日から起算して７日以内に，書面により，公正委員会委員長に対して調査委員会の構成に関する異議申立てをすることができる。
３　公正委員会委員長は，前項の異議申立てを受けた場合，当該異議申立ての内容を審査し，妥当であると判断した場合，調査委員会委員を交代させるとともに，その旨を告発者及び被告発者に通知するものとする。

（本調査の実施）
第３４条　調査委員会は，本調査の実施を決定した日から起算して３０日以内に，本調査を開始するものとする。
２　調査委員会は，告発者及び被告発者に対し，直ちに，本調査を行うことを通知し，調査への協力を求めるものとする。
３　調査委員会は，告発において指摘された当該研究に係る論文，研究資料，研究データの精査及び関係者のヒアリング等の方法により，本調査を行うものとする。
４　調査委員会は，被告発者による弁明の機会を設けなければならない。
５　調査委員会は，被告発者に対し，再実験等の方法によって再現性を示すことを求めることができる。また，被告発者から再実験等の申し出があり，調査委員会がその必要性を認める場合，それに要する期間及び機会並びに機器の使用等を保障するものとする。
６　告発者，被告発者及びその他当該告発に係る事案に関係者は，調査が円滑に実施できるよう積極的に協力し，真実を忠実に述べるなど，調査委員会の本調査に誠実に協力しなければならない。

（本調査の対象）
第３５条　本調査の対象は，告発された事案に係る研究活動の他，調査委員会の判断により，本調査に関連する被告発者の他の研究を含めることができる。

（証拠の保全）
第３６条　調査委員会は，証拠となる資料及びその他関係資料を保全する措置を講ずるものとする。
２　告発された事案に係る研究活動が行われた研究機関が本学でない場合，調査委員会は，証拠となる資料及びその他関係資料を保全する措置を講ずるよう，当該研究機関に依頼するものとする。
３　調査委員会は，前２項の措置に必要な場合を除き，被告発者の研究活動を制限してはならない。

（本調査の中間報告）
第３７条　調査委員会は，本調査の終了する前に配分機関から本調査に係る中間報告の要請があった場合，それに応じるものとする。

（調査における研究又は技術上の情報の保護）
第３８条　調査委員会は，本調査に当たって，本調査対象における公表前のデータ，論文等の研究又は技術上秘密とすべき情報が，本調査の遂行上必要な範囲外に漏洩することのないよう，十分配慮するものとする。

（不正行為の疑惑への説明責任）
第３９条　本調査において，被告発者が告発された事案に係る弁明をする場合，自己の責任において，当該研究活動が科学的に適正な方法及び手続きに則って行われたこと，並びに論文等が科学的に適正な方法及び手続きに基づき適切な表現で書かれたものであること，を科学的根拠を示して説明しなければならない。
２　前項の場合において，再実験等を必要とする場合，第３４条第５項を準用する。

（認定の手続）
第４０条　調査委員会は，本調査を開始した日から起算して１５０日以内に調査の結果をまとめ，告発された事案において不正行為が行われたか否かの認定を行う。
２　調査委員会は，１５０日以内に認定を行うことができない合理的な理由がある場合，その理由及び認定の予定日について学長から承認を得たうえで認定日を延長することができる。
３　調査委員会は，不正行為が行われなかったと認定される場合であって，本調査を通じて告発が悪意に基づくものであると判断した場合，併せて，その旨の認定を行うものとする。
４　調査委員会は，前項の認定を行うに当たって，告発者に弁明の機会を与えなければならない。
５　調査委員会は，第１項及び第３項に定める認定が終了した場合，直ちに，公正委員会委員長に報告しなければならない。その報告を受けた公正委員会委員長は，直ちに学長に報告する。

（認定の方法）
第４１条　調査委員会は，本調査によって得られた，物的・科学的証拠，証言，被告発者の自認等諸証拠を総合的に判断して，不正行為か否かの認定を行うものとする。ただし，被告発者による自認を唯一の証拠として不正行為を認定することはできない。
２　調査委員会は，不正行為に関する証拠が提出された場合には，被告発者の説明及びその他の証拠によって，不正行為の疑いが覆されないときは，不正行為と認定する。
３　調査委員会は，被告発者が，研究データの不存在等，本来存在するべき基本的な要素の不足により，不正行為の疑いを覆すに足る証拠を示せない場合は不正行為とみなす。
４　前項の規定にかかわらず，次に掲げる事項のいずれかに該当する場合は，この限りではない。
(1)  被告発者が善良な管理者の注意義務を履行していたにもかかわらず，災害等その責によらない理由により，前項に規定する基本的な要素を十分に示すことができなくなった場合等正当な理由があると認められる場合　
(2)  研究データの不存在が，本学が定める保存期間を超えることによるものである場合又は告発に係る研究活動を行っていたときに所属していた研究機関が定める保存期間を超えることによるものである場合

（調査結果の通知及び報告）
第４２条　学長は，調査結果及び認定の内容を告発者，被告発者，被告発者以外で不正行為に関与したと認定された者及び被告発者等が所属する部局長に通知するものとする。被告発者が本学以外の機関に所属している場合，当該所属機関にも通知する。
２　学長は，前項の通知に加えて，調査結果を配分機関及び文部科学省に報告するものとする。
３　学長は，悪意に基づく告発との認定があった場合において，告発者が本学以外の機関に所属している場合，当該所属機関にも通知するものとする。

（不服申立て）
第４３条　不正行為が行われたものと認定された被告発者は，第４２条第1項の通知を受けた日から起算して１４日以内に，調査委員会に対して不服申立てをすることができる。ただし，その期間内であっても，同一理由による不服申立てを繰り返しすることはできない。
２　告発が悪意に基づくものと認定された告発者（被告発者の不服申立ての審議の段階で悪意に基づく告発と認定された者を含む。）は，その認定について，前項の規定に準じて，不服申立てをすることができる。
３　不服申立ての審査は，調査委員会が行う。
４　調査委員会は，不服申し立ての審査を行うに当たって，新たに専門性を要する判断が必要となる場合，調査委員の交代若しくは追加，又は調査委員会に代えて他の者に審査をさせるものとする。ただし，調査委員会の構成の変更等を行う相当の理由がないと認めるときは，この限りでない。
５　前項の規定により調査委員会の委員を変更する場合，第３２条第２項及び第３項を準用する。
６　調査委員会は，当該事案の再調査を行うまでもなく，不服申立てを却下すべきものと決定した場合，直ちに，学長に報告する。報告を受けた学長は，不服申立人に対し，その決定を通知するものとする。その際，その不服申立てが当該事案の引き延ばしや認定に伴う各措置の先送りを主な目的とするものと調査委員会が判断した場合，以後の不服申立てを受け付けないことを併せて通知するものとする。
７　調査委員会は，不服申立てに対して再調査を行う旨を決定した場合，直ちに，学長に報告する。報告を受けた学長は，不服申立人に対し，その決定を通知するものとする。
８　学長は，被告発者から不服申立てがあった場合，告発者に対して通知し，告発者から不服申立てがあった場合，被告発者に対して通知するものとする。また，配分機関及び文部科学省にもその旨報告する。不服申立ての却下又は再調査開始の決定をしたときも同様とする。

（再調査）
第４４条　調査委員会は，前条に基づく不服申立てについて，再調査を実施する決定をした場合，不服申立人に対し，本調査結果を覆すに足るものと不服申立人が思料する資料の提出及び再調査への協力を求めるものとする。
２　前項に定める不服申立人からの協力が得られない場合，調査委員会は，再調査を行うことなく手続きを打ち切ることができる。その場合，調査委員会は，直ちに学長に報告する。
３　調査委員会は，再調査を開始した場合，その開始の日から起算して５０日以内に，先の調査結果を覆すか否かを決定し，その結果を直ちに学長に報告するものとする。ただし５０日以内に調査結果を覆すか否かの決定ができない合理的な理由がある場合，その理由及び決定予定日について学長から承認を得たうえで決定日を延長することができる。
４　学長は，前２項の報告に基づき，速やかに，再調査手続の結果を不服申立人，告発者，被告発者，被告発者以外で不正行為に関与したと認定された者及び被告発者等が所属する部局長に通知するものとする。被告発者が本学以外の機関に所属している場合，その所属機関にも通知する。また，配分機関及び文部科学省に報告する。

（調査結果の公表）
第４５条　学長は，不正行為が行われたとの認定がなされた場合，速やかに，調査結果を公表するものとする。
２　前項の公表における公表内容は，不正行為に関与した者の氏名及び所属，不正行為の内容，本学が公表時までに行った措置の内容，調査委員会委員の氏名及び所属並びに調査の方法及び手順等を含むものとする。ただし，合理的な理由がある場合，不正行為に関与した者の氏名及び所属等を非公表とすることができる。
３　前項の規定にかかわらず，不正行為があったと認定された論文等が，告発がなされる前に取り下げられた場合，当該不正行為に関与した者の氏名及び所属を非公表とすることができる。
４　不正行為が行われなかったと認定がなされた場合，調査結果を公表しない。ただし，当該事案が既に公になっている場合又は論文等に過失による誤りがある場合，調査結果を公表するものとする。
５　前項ただし書きに基づき公表を行う場合，不正行為がなかったこと，論文等にある誤りが故意によるものではなかったこと，被告発者の氏名及び所属，調査委員会委員の氏名及び所属並びに調査の方法及び手順等を公表するものとする。
６　学長は，悪意に基づく告発が行われたと認定がなされた場合，告発者の氏名及び所属，悪意に基づく告発と認定した理由，調査委員会委員の氏名及び所属並びに調査の方法及び手順等を公表するものとする。ただし，合理的な理由がある場合，告発者の氏名及び所属等を非公表とすることができる。

（本調査中における一時的措置）
第４６条　学長は，本調査を行うことを決定したときから調査委員会の調査結果の報告を受けるまでの間，被告発者に対して告発された研究費の一時的な支出停止等必要な措置を講じることができる。
２　学長は，配分機関から，被告発者の該当する研究費の支出停止等を命じられた場合，それに応じた措置を講じるものとする。

（論文等の取下げ等の勧告）
第４７条　学長は，不正行為と認定された場合，当該不正行為に関与した者に対して，論文等の取下げ，研究費の使用停止及びその他の措置を勧告する。

（処分）
第４８条　学長は，不正行為と認定された場合，当該不正行為に関与した者に対して，国立大学法人九州工業大学職員就業規則（平成１６年九工大規則第４号。以下「職員就業規則」という。），国立大学法人九州工業大学有期雇用職員就業規則（平成１８年九工大規則第１３号。以下「有期雇用職員就業規則」という。）及び国立大学法人九州工業大学パートタイム職員就業規則（平成１６年九工大規則第６号。以下「パートタイム職員就業規則」といい，職員就業規則，有期雇用職員就業規則及びパートタイム職員就業規則を総称して以下「就業規則」という。）並びに国立大学法人九州工業大学職員懲戒規程（令和５年九工大規程第３号。以下「懲戒規程」という。）に基づき懲戒処分等を課すことができる。
２　各責任者において，管理監督の責任が十分に果たされず，結果として不正を招いた場合，前項に準じて取り扱うものとする。
３　学長は，前２項の処分を行った場合，配分機関及び文部科学省に対して，その処分の内容を報告する。

（是正措置等）
第４９条　調査委員会は，本調査の結果，不正行為が行われたものと認定した場合，学長に対し，速やかに是正措置，再発防止措置，その他必要な環境整備措置（以下「是正措置等」という。）を講ずることを勧告するものとする。
２　学長は，前項の勧告に基づき，関係する部局長に対し，是正措置等を講ずることを命ずる。また，必要に応じて，本学全体における是正措置等を講ずるものとする。
３　学長は，第２項に基づき講じた是正措置等の内容を配分機関及び文部科学省に対して報告する。

（秘密保護義務）
第５０条　この規程に定める業務に携わる全ての者は，業務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。本学の職員等でなくなった後も，同様とする。
２　学長及び統括管理責任者は，告発者，被告発者，告発内容及び調査経過について，調査結果の公表に至るまで，告発者及び被告発者の意に反して外部に漏洩しないよう，これらの秘密の保持を徹底しなければならない。
３　学長は，当該告発に係る事案が外部に漏洩した場合，告発者及び被告発者の了解を得て，調査中にかかわらず，調査事案について公表することができる。ただし，告発者又は被告発者の責に帰すべき事由により漏洩した場合，当該者の了解は不要とする。
４　学長，統括管理責任者又はこの規程に定める業務に携わる者は，告発者，被告発者，調査協力者，相談者又は関係者に連絡若しくは通知をする場合，告発者，被告発者，調査協力者，相談者及び関係者の人権，名誉並びにプライバシー等を侵害することのないように，配慮しなければならない。

（告発者及び相談者の保護）
第５１条　部局長は，告発又は相談をしたことを理由とする当該告発者又は相談者の職場環境の悪化や差別的待遇が起こることのないように，適切な措置を講じなければならない。
２　本学に所属する全ての者は，告発をしたことを理由として，当該告発者及び相談者に対して不利益な取扱いをしてはならない。
３　学長は，告発者及び相談者に対して不利益な取扱いを行った者がいた場合，就業規則及び懲戒規程に基づき，その者に対して懲戒処分等を課すことができる。
４　学長は，悪意に基づく告発であることが判明しない限り，単に告発したことを理由に当該告発者に対して解雇，降格，減給又はその他当該告発者に不利益な措置等を行ってはならない。

（被告発者の保護）
第５２条　本学に所属する全ての者は，相当な理由なしに，単に告発がなされたことのみをもって，当該被告発者に対して不利益な取扱いをしてはならない。
２　学長は，相当な理由なしに，被告発者に対して不利益な取扱いを行った者がいた場合，就業規則及び懲戒規程に基づき，その者に対して懲戒処分等を課すことができる。
３　学長は，相当な理由なしに，単に告発がなされたことのみをもって，当該被告発者の研究活動の全面的な禁止，解雇，降格，減給又はその他当該被告発者に不利益な措置等を行ってはならない。

第７章	研究データの保存及び公開

（研究データの義務）
第５３条　統括管理責任者は，研究者等が発表した研究成果に対する第三者の検証可能性を担保するとともに，不正が指摘された際に対応できるよう，研究者等に対し研究データの保存及び公開を義務付ける。

（保存する研究データ）
第５４条　保存対象とする研究データは，研究者等が外部に発表した研究成果に関するものとする。
２　研究者等の研究成果に関する研究データとして保存するものは，科学的根拠を持って不正が無いことを証明することができると考えられるものを研究者等が自ら決めるものとする。
３　学生の研究成果に関する研究データとして保存するものは，前項に準じ，指導教員の責任のもと決めることとする。
４　複数の研究者等と共同で行った研究成果の研究データは，第２項に準じ，当該研究者等が担当したものについて証明が可能な研究データを保存するものとする。

（研究データの保存期間）
第５５条　前条で規定する保存が必要な研究データの保存期間は，研究成果の発表時点から原則として次のとおりとする。
　(1)  数値データ，プログラム，文書（実験・観察ノートを含む。）及び画像等の研究資料は１０年間とする。なお，紙媒体の研究資料については，少なくとも１０年の保存が望ましいが，保管スペースの制約などやむ得ない事情がある場合には，合理的な範囲で廃棄することも可能とする。
　(2)  実験試料，標本類及び装置等の有体物は５年間とする。ただし，容易に再調整できるもの及び保存・保管が本質的に困難なもの（不安定物質，実験自体で消費されてしまう試料等）又は保存に多大なコストがかかるもの（生態系試料等）についてはこの限りでない。
２　研究分野の特性により，前項の保存期間を超えた期間の設定が必要な場合，研究成果の発表時点で研究者等が自ら期間を定めることができる。
３　保存する研究データの中に，法令等により保存期間が規定されるものがある場合，当該データについてはその法令等の定める期間に合わせて保存期間を定めることとする。ただし，法令等の保存期間が第１項で定める期間未満で期間満了後の即時破棄が明記されていない場合，第１項を準用する。
４　外部から研究データを受領するにあたって，当該データの保存期間に関する契約若しくは定めがある場合，契約等で定められた期間に合わせて保存期間を定めることとする。

（保存する研究データの管理方法）
第５６条　研究者等の研究データについて，研究者等の個人単位で別記様式第２号の研究データ保管管理簿（以下「管理簿」という。）に，研究成果を発表した都度，情報を追記して管理する。
２　学生の研究データについて，指導教員の研究室単位で管理簿に，指導教員の責任のもと研究成果を発表した都度，情報を追記して管理する。
３　保存期間を経過した研究データについて，適切に措置するとともに管理簿の情報も適切に更新する。
４　部局長は，自らが掌理する部局における研究データの管理状況を定期的に確認し，その状況を統括管理責任者に報告するものとする。

（異動又は退職時の研究データの取扱い）
第５７条　研究者等が他機関へ異動又は定年退職等により本学を離れる場合（以下「学外への異動者」という。），学外への異動者が管理する研究データについて，別記様式第３号の研究データ引継ぎ等確認書（以下「確認書」という。）を作成の上，原則本学が継続して保管するものとする。
２　学外への異動者は他機関で研究を継続する等の理由で自らの研究データを持ち出す場合，管理簿及び確認書をもとに作成した持ち出しデータのリストにより統括管理責任者に申請し，承認を得たうえで持ち出すことができる。ただし，持ち出すデータは複製を作成し，原物又は複製したデータを本学で保管することとし，複製が難しい研究データの取扱いについて統括管理責任者と個別に協議し，決定するものとする。
３　部局長は，自らが掌理する部局等において学外への異動者の研究データをどのように引き継ぐか予め決めておかなくてはならない。
４　本学が継続して保管する学外への異動者の研究データについて，保存期間経過後は適切に措置するものとする。なお，研究データは研究者等個人のアイディア及びノウハウ等が含まれるものであることから，不正行為等の調査以外に使用してはならない。
５　新たに採用され研究者等となる者の採用前の研究データで，成果の発表から第５５条で規定する期間を経過していないものについて，管理簿を作成し，保管を行うものとする。

（研究データの公開等について）
第５８条　研究者等が発表した研究成果に対し，第三者から検証等の目的で本学が保管する研究成果及びその研究データに関して問い合わせがあった場合，研究者等の責任で誠実かつ適切に対応する。

第８章	モニタリング等

（監査）
第５９条　公的研究費の適正な管理のため，国立大学法人九州工業大学内部監査規程（平成１８年九工大規程第４２号。以下「内部監査規程」という。）に基づき，公正かつ的確な監査を実施するものとする。
２　監査室は，公的研究費の不正使用が発生しやすい要因に着目した監査を実施するものとする。

（内部監査）
第６０条　監査室は，内部監査規程に基づき，業務監査及び会計監査を実施するほか，監事及び研究公正委員会と連携して不正防止を推進するための体制について検証するものとする。
２　監査室は，監事と連携し，監事に適切な情報提供等を行う。

（監事）
第６１条　監事は，不正防止に関する内部統制の整備・運用状況について本学全体の観点から確認し，意見を述べるものとする。
２　監事は，統括管理責任者又はコンプライアンス推進責任者が実施するモニタリングや内部監査によって明らかになった不正発生要因が不正防止計画に反映されているか，また，不正防止計画が適切に実施されているかを確認し，意見を述べるものとする。
３　監事は，前２項に示す役割を十分に果たすため，監査室，研究公正委員会及びその他の関連部署から，適切な情報提供等を受けるものとする。
４　監事は，第１項及び第２項で確認した結果について，役員会等において,定期的に報告し，意見を述べるものとする。

第９章	その他

（雑則）
第６２条　この規程に定めるもののほか，不正防止に関し必要な事項は，別に定める。

附　則
１　この規程は，平成２６年９月３日から施行する。
２　九州工業大学の研究活動における不正防止に関する規程（平成１９年九工大規程第９号）は，廃止する。
　　　附　則
　この規程は，平成２７年４月１４日から施行し，平成２７年４月１日から適用する。
　　　附　則
　この規程は，平成２８年４月１日から施行する。
　　　附　則
　この規程は，平成２９年４月１日から施行する。
　　　附　則
　この規程は，平成３０年４月１日から施行する。
　　　附　則
１　この規程は，平成３１年４月１日から施行する。
２　平成３１年３月３１日までに研究成果を発表した研究データについては，第５５条の規定にかかわらず，なお従前の例による。
　　　附　則
　この規程は，令和３年４月１日から施行する。
　　　附　則
　この規程は，令和３年４月１日から施行する。
　　　附　則
　この規程は，令和４年７月２７日から施行し，令和４年４月１日から適用する。
　　　附　則
　この規程は，令和６年４月１日から施行する。
　　　附　則
　この規程は，令和６年５月３１日から施行し，令和６年４月１日から適用する。

添付ファイル1

0700049300研究活動等の不正防止に関する規程_24_05_31_別記様式第１号.誓約書.docx　(24.65 KB)

添付ファイル2

0700049300研究活動等の不正防止に関する規程_24_05_31_別記様式第２号.xlsx　(33.60 KB)

添付ファイル3

0700049300研究活動等の不正防止に関する規程_24_05_31_別記様式第３号.docx　(32.07 KB)

添付ファイル4

添付ファイル5

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